こんにちは!S&Cコーチのリノ(@rino_stlog)です。
この記事では、水泳で強くなるために必要な背中の筋肉の役割をお伝えします。
水泳のどんな場面で背中の筋肉が使われるのか、強化することでどんなメリットがあるのかを紹介したいと思います。
水泳で使われる背中の筋群について
泳動作のどの場面で背中の筋肉が使われているのか
背中をトレーニングするときのポイント
この記事を読むことで、トレーニングで意識する筋肉の場所や注意したいポイントをポイントをおさえる事ができます。
トレーニングプログラムを始める前にぜひ一度読んでおきましょう。
水泳で使われる背中の筋肉
水泳で使われる大きな背中の筋肉は主に広背筋と脊柱起立筋があります。
広背筋は上半身を動かす中心の筋肉です。上腕骨をプロペラのように動かし、水中での推進力を生み出します。
(肩と腕の筋肉を広背筋と連動して動かすことで、ストロークによる推進力を生み出す事ができます)
脊柱起立筋は、背骨を支えて体をまっすぐに固定する働きがあります。つまり、泳いでいる間のフラットな姿勢をキープさせ、なるべく抵抗の少ない姿勢を作ることに貢献しています。
この2つの筋肉の役割を詳しくみていきましょう!
広背筋
- 胸椎下部、胸腰筋膜と後腸骨稜に付着
- 腹筋群の筋肉も胸腰筋膜に付着しており、広背筋も体幹を安定させる筋肉として機能する。
- 広背筋は三角形になっており、先端は上腕骨に付着している。
- 広背筋が収縮する…肩の伸展、内転、内旋
広背筋と一緒に動く筋肉
僧帽筋下部・中部、大菱形筋、小菱形筋
肩甲骨を挟み込む動作を助けるように働きます。
大円筋
肩の伸展動作を助けるように働きます。
上腕二頭筋、上腕筋
肘関節を屈曲させるときに働きます。
脊柱起立筋
- 脊柱に沿って走っている
- 脊柱起立筋は3つの筋群(腸肋筋、最長筋、棘筋)からなり、筋繊維は垂直に走っている
- 腸肋筋(外側):腸骨稜、仙骨の後ろから腰椎の一部〜下位の6〜7個の肋骨角下縁に付着している
- 最長筋(真ん中):横突起後面の全長、腰椎の副突起、胸腰筋膜から下位の9〜10個の肋骨に付着している
- 棘筋(内側):T11〜L2椎骨の棘突起から4〜8腱による上部胸椎の棘突起に付着している
- 脊柱起立筋の収縮…体幹が伸展する
- 片側だけの収縮…側方へ体幹が屈曲する、収縮した側に体幹が回旋する
脊柱起立筋と一緒に動く筋肉
大臀筋、ハムストリングス
股関節を伸展させるため、脊柱起立筋はこの筋群と一緒に収縮します。
(股関節の伸展は脊柱の伸展と同時に起こる)
泳ぐ動作に影響する背中の筋肉の役割
背中の筋群は水泳で大切な「推進力」と「姿勢維持」に大きく貢献しています。
どのような水中動作に関わっているのかを確認しましょう。
推進力へ大きく貢献
広背筋は泳ぐうえで重要な推進力の源になります。
- 自由形やバラフライ、平泳ぎの手が入水後すぐに動員される
- 背泳ぎでは常に動員されている
- 4泳法全ての推進局面中〜リカバリー局面開始まで動員される
背泳ぎのストリームライン姿勢をキープする
脊柱起立筋は体を姿勢をキープするためにとても大切な筋群です。
- 背泳ぎで腰が落ちてしまう場合、脊柱起立筋が弱い可能性がある
- ストリームライン姿勢で腰が落ちる、猫背になる場合、脊柱起立筋がうまく機能できていない場合がある
「うねり」や「スタート」を生み出す伸展動作
脊柱起立筋は脊椎の伸展動作に使われる筋群です。
- 水中ドルフィンキック、バラフライ、平泳ぎのうねり動作を生み出す脊椎の伸展動作に使われる
- 4泳法全てのスタート動作で、ストリームラインを作るときために使われる
- 背泳ぎの場合は背中を反ってすばやく飛び出す動作の時に使われている
背中の筋肉をトレーニングするときのポイント
広背筋をトレーニングするときは、肩甲骨を意識しましょう。
エクササイズの終了局面で両側の肩甲骨を互いにはさむように意識する
肩甲骨の動きを意識することで関節を安定させる筋群もトレーニングできる
意識するポイントを頭に入れるだけで、トレーニング効果が高まります。
背中をトレーニングするときは肩甲骨の動きも忘れないようにしましょう!
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参考書籍:スイミング解剖学(イアン・マクロード著)